【アプリ開発のトレンド】オフショア開発をする企業が増えている訳

人口減少による人手不足は既に深刻な状況になっています。日本は経済大国でありながら、1人1人の生産性が悪く非効率であるとされています。そうなると、1人1人の生産性を上げることで、さらなる成長が見込めることは容易に想像ができますね。それが人手不足の解消にもつながるのですが、もうひとつの方法として、積極的にオフショア開発を利用することが重要なのです。日本企業の45.6%(独立行政法人情報処理推進機構(IPA)調べ)が導入しているとされるオフショア開発は、近年特に注目が集まっています。
ここではオフショア開発のメリットと、アプリ開発を委託する企業が増えている現状を説明します。

どうしてオフショア開発が選ばれるのか

オフショア開発が選ばれるのは、人件費の安さを求めたコスト削減が第一です。これは、営利を求める企業としては当然のことで、高い人件費を払わなければいけない日本の技術者よりも、同じ成果物であれば、海外のオフショア開発企業に発注してソフトウェアをあげてもらったほうが安くあがるからです。
そして、もうひとつの理由としてリソースの確保があげられます。日本では、少子高齢化が急速に進み、人手不足が深刻になってきています。それは、今後も改善することなく、人口の減少に歯止めはかからないでしょう。外国人を活用する方向性は日本の国策として避けられない状況です。そのような中でもリソースの確保は、国内外を問わず、日本企業の至上命題でもあるのです。
その活路をオフショア開発に向けているのは間違いありません。
オフショア開発については早くから注目されていましたが、これからの日本企業が高収益体質になるためには、オフショア開発企業の有効活用とパートナーシップといった提携がどんどん進んでいくことでしょう。ITバブルの時代は遠い昔となりましたが、IT市場はまだまだ成長分野ですし、大がかりなプロジェクト開発ではITは根幹を成しています。そのためのリソースの確保は、国内企業のフットワークの軽さをさらに印象づけ、スピーディな開発を実現してくれるのです。そこには大型プロジェクトばかりではなく、アプリ開発などもオフショア開発企業に委託する企業も増えてきているのです。

オフショア開発の3つのメリット

オフショア開発のメリットをおさらいしておきます。以下の3つがオフショア開発の大きなメリットになります。
・コスト削減
・人材不足の解消
・自前の開発チームの構築
以上の3つです。
海外の安い人件費を活用するのですから、コスト削減になるのは間違いありません。また、国内リソースの低下から人材不足に陥っている企業の悩みを解消してくれるのがオフショア開発です。このふたつのメリットには異論のないところでしょう。
そして、もうひとつの「自前の開発チームの構築」ですが、ひとつのプロジェクト単位でオフショア開発会社に依頼するのではなく、パートナーシップを結ぶことで、将来的にも継続してプロジェクト開発の発注先は同じ、オフショア開発にするというものです。これはオフショア開発企業にとっては仕事が確保できますし、発注する国内企業にとっては、実績もあり、勝手をよく知ったパートナーですから、安心してソフトウェア開発を発注することができるのです。オフショア開発企業と将来にわたるパートナーシップ提携を結ぶことができたら、海外を拠点としたソフトウェア開発チームの構築につながるのです。この構想は新しいものではなくて既に実施している企業もあります。海外の現地で専用のソフトウェア開発チームを作ることをラボ型開発と呼んでいます。
毎回スポットでオフショア開発を依頼するのは、コミュニケーションなど、最初から行わなければいけません。一度でも開発実績があると、最初にやらなければいけないことを、省くことができ、スピーディにソフトウェア開発に入ることができるのです。自前の開発チーム、すなわちオフショア開発企業との提携はそういったメリットがあるのです。

オフショア開発の問題点

オフショア開発の問題点にはいろいろありますが代表的な問題を3つあげてみます。
・コミュニケーション不足
・進捗管理の難しさ
・コストメリットが出ない
コミュニケーション不足の問題は、あるべきリスクとして認識はしています。しかし、人相手ですから、想定外のことも起こりうるのです。遠隔地であってもそこにいるような形で会話ができるのがテレビ通話なのですが、そのような機器を使っても物理的な距離というのは大きな障害になるといっていいでしょう。ちょっとしたことを聞けないことが多く、そういったボタンのかけ違いがあとで大きな問題となって噴出してしまいます。
そして、進捗管理の難しさです。日本では納期は絶対ですが、オフショア開発先ではマイペースが基本となることが多いです。意識の違いによるものですが、オフショア開発にしても国内企業にしても、見ている先が一緒であることが必要です。そのあたりをしっかりしておかないと進捗にも影響が出ます。また、進捗だけを重視するだけでなく、品質管理も徹底的に行う必要があります。オフショア開発に委託するのですから、日本式の開発スタイルを無理強いするのではなく、ある程度はまかせながら、最終目的はひとつであるという意思の共有が必要なのです。
人件費の削減に大きく寄与するオフショア開発ですが、プロジェクトの規模によってはコストメリットが出にくい場合があります。ソフトウェア開発をすべてオフショア開発に委託するのか、そうすると国内企業の開発能力の空洞化の懸念もあります。どこまでまかせるのか、すべてをまかせるのかなど、コストメリットを度外視した将来的な見地も必要になってくるのです。

アプリ開発を依頼する企業が増えている

アプリ開発をオフショア開発に委託する企業が増えているそうです。
比較的少人数で開発できることで、スマートフォンのアプリ開発は国内で開発することが基本でした。しかし、アプリのグローバル化が進み、アプリ内で表記する言葉の翻訳率も飛躍的に向上していて、飜訳関係については国内で行うことで、言葉の表記の問題も解決します。
簡単なアプリもあるのですが、ゲームを中心に複雑化したアプリもあります。大型プロジェクトに比肩するくらいの開発人数を確保する必要のあるアプリ開発もあるのです。そのために、アプリ開発をオフショア開発に依頼する国内企業が増えてきました。また、スマートフォンですから、いつでもソフトウェアの修正ができ、アプリを公開してからも、不具合が出てたらすぐに修正ができる点もオフショア開発向きですし、公開してからも運用管理をオフショア開発にまかせる国内企業も出てきているのです。これもコストカットの究極の形と言えるかもしれません。

オフショア開発の目的はコストカットとリソースの確保です。しかし、実利もあれば弊害もあります。なにもかもまかせてしまえば、日本のソフトウェアに対する技術の空洞化を招きかねません。既に、プロジェクトやアプリ開発後の運用管理も、オフショア開発会社にまかせる国内企業も出てきています。対極的にはオフショア開発会社の人件費も国内と変わらないくらいになれば、提携内容も変わり、日本の外部発注と同じようになることも十分に考えられます。そのときまでに、良好なパートナーシップをオフショア開発会社と結ぶことができたら、将来的にもプロジェクト開発やアプリ開発においてお互いに補完しながら成長していくことができるでしょう。

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