C言語しかできないエンジニアは、オフショア開発で活躍できる?

はじめに

オフショア開発でプログラミング言語を習得している海外エンジニアの採用が活発化してきています。現代には数多くのプログラミング言語がありますが、そのなかでも特にメジャーなのが「C言語」です。そんなC言語ですが現在でも需要があるのかどうか、C言語だけを習得したエンジニアには活躍の場があるのかどうか、といったところは気になるところです。
今回の記事ではC言語とC言語エンジニアの将来性について詳しく解説していきます。

アジア圏のエンジニアのスキルは?

近年オフショア開発が最も活発なのは東南アジア圏です。では東南アジア圏の人々のエンジニアのスキルはどの程度なのか?という点は気になるところではないでしょうか。
オフショア開発が活発な東南アジアの多くの国では、大学でコンピュータプログラミングの基礎をしっかり学びます。日本の専門学校でプログラミングを学ぶのと同じレベルの基礎スキル(C言語、C++、Javaなど)を習得していることが多いです。
つまり、最初からモノを作るために必要なプログラミング能力は新卒でも保持しているということです。
ベトナム
オフショア開発で今最も勢いのある国がベトナムといってもいいでしょう。国を挙げてIT教育を推進しているので優秀なプログラマーが多く存在します。ベトナム人の性格は日本人と共通する部分も多いため仕事が進めやすく、また国自体も親日国であるという理由からオフショア開発として人気の国となっています。ベトナムではC言語が根強い人気があるというのも特徴です。
インド
インドは言わずと知れたIT大国です。もともと欧米企業のオフショア開発の中心だったのがインドですから、オフショアにおける歴史も古いです。インド人はプログラマーとして優秀なスキルを持った人材が多いということだけでなく、英語もあたりまえに話せるのでグローバルな人材が揃っているという点からも人気の国となっています。
中国
人口12億を超える中国はアジアのなかでもエンジニアの数は圧倒的に多い国です。それだけ人材が確保しやすく、また日本とほとんど時差がないので時間的な問題もなく、リアルタイムでスムーズに仕事をこなしていくことができます。ただし、国としての関係や日本人とは違った中国人特有の性格について、一定の考慮は必要です。

C言語しかできないエンジニアの需要

オフショア開発を進めていくとき、C言語しか習得していないエンジニアに出会うことも多々あります。では「C言語しかできないエンジニアは需要がないのか?」という疑問が出てきますが、そんなことはありません。
C言語は開発されてから40年以上も経つ伝統的な言語のひとつです。しかし、古いというのは「現代では使えない言語」という意味ではありません。C言語は今でもさまざまな分野で使用されています。例えばPCで動作するアプリケーション、家庭用ゲームソフト、電子レンジや洗濯機といった家電製品など身の回りの多くのものにC言語が使われています。ソフトウェア開発やゲーム開発、各種製造業にも現在進行形で使われるものなので、その利用範囲は非常に大きいです。
C言語は歴史ある古い言語であり、かつ難易度も高い言語ですが、上記の点からも最も汎用性の高い言語のひとつであるということができます。近年はPHPやRubyといった覚えやすい軽量な言語が人気を集めていますが、実はそうした流行りの言語だけを習得してC言語は習得していないエンジニアが多いのです。よって現在は「C言語を習得しているエンジニア」は逆に需要が高まっている傾向にあります。
C言語はWEBのみならず使われているジャンルがとても幅広いので、C言語エンジニアはWEB系以外の他業界(製造業やゲーム開発など)への進出も可能になります。C言語は私たちの生活のほとんどに浸透しておりそれだけ社会に根付いている言語なので、今後もその需要(C言語エンジニアの需要)はあるでしょうし、その需要がなくなるということは考えにくいといえます。

「C++」を習得しているか否か

オフショア開発でC言語しかできないエンジニアを採用する場合、そのエンジニアがどの程度のレベルまでプログラミングスキルを習得しているかは慎重に吟味したほうがよいでしょう。というのもC言語と一緒に、C言語から派生した「C++」を習得しているエンジニアもいますから、C++の利用が必要なプログラム開発においては貴重な人材となります。
C++を習得しているエンジニアは、組み込み系のシステム開発だけでなく、WEBアプリケーションの開発、スマホアプリケーションの開発、ソフトウェア開発などさまざまなフィールドでそのスキルを発揮します。また、C++はいわゆる「オブジェクト指向言語」であるため、たとえそのエンジニアがC++やC言語しか習得していなくても、JavaやC#といったほかのオブジェクト指向言語も比較的理解しやすく、またそのエンジニアの勉強次第ではさまざまな応用も効かせることができるというメリットがあります。
C++はC言語と互換性をもったシステムを構築する場合や、WindowsやLinuxといったOS本体を制御したいとき、またはそのプログラムの実行速度を速めたいときに活用できる言語です。C++を習得しているエンジニアはそのスキルを活かせる範囲が広く、自社の開発案件に合わせて最適なエンジニアをオフショアで探して採用する企業も増えています。

日本でのC言語エンジニアの活躍

日本だからこそC言語エンジニアが活躍できる!という点をご紹介していきましょう。

製造業での需要

C言語はWEBのみならず多くの製造業でも用いられているというのは上述したとおりです。ここで注目したいのはC言語と製造業の相性の良さです。
日本といえば「モノづくり大国」です。日本の製造業というとやはり自動車や家電製品などの工業製品が挙げられます。これらの工業製品のほとんどは本体の制御やシステム動作のために内部にC言語が組み込まれています。それだけ今でも工業製品における制御系プログラミングとそのエンジニアの需要があるということです。日本の機械産業が続く限りC言語エンジニアは今後も求められることになります。

業務系システム案件

日本特有の「業務系大規模システム」の開発においてはC言語が使われることが多くなります。大規模システムというのはそれだけ長年稼働することになるため、その開発には最も安定性があり、かつ最も汎用性の高いC言語が選ばれる傾向があります。こうした点を見ると歴史の長いC言語の根強さやそのメリットがうかがえるのではないでしょうか。
大規模な業務系システムの開発とそれへの参加は、その業界の流れや慣習、顧客業務などを詳しく理解できる機会になりますから、その開発を取り組むことがきっかけとなってさらなる上のレベルでのプロジェクトやコンサルタントへの参加も可能となるかもしれません。そうなると当然ながら給与や単価にも変化を及ぼすでしょうし、場合によっては地位(ポスト)が上がることも考えられます。つまりC言語を足がかりとしてキャリアアップも目指せるということです。

おわりに

C言語エンジニアの将来性と需要について説明していきました。2019年以降もC言語エンジニアの需要は続くことが予想され、特にC++を習得しているエンジニアの将来性について、それほど懸念はないといってよいでしょう。
C++は言語として非常に複雑で習得が難しいとされていますから、C++を習得するエンジニアが今後減少することによって、C++を習得したエンジニアの需要がさらに高まる可能性もあります。
とはいえプログラミング言語の世界は移り変わりが激しいので、SwiftやC#など他の言語も含めてそのシェア率やエンジニアの数の動向については常に注意を払う必要があるでしょう。

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