開発拠点をオフショアに移すメリット・デメリットを5分で解説!

さまざまな分野で利用されるようになったオフショア開発は、今や日本企業においてなくてはならない生産方法です。
海外の企業に業務を委託するのですから、なかなか思い通りにいかないことも多いですが、人件費の削減と慢性的なエンジニア不足を補うという点ではオフショア開発は有効な手段だと言えます。また長年オフショア開発をしているうちに生産基盤を移す企業も少なくありません。
確かに人件費の削減とエンジニア不足を解決する点においてはメリットですが、その反面生産基盤をオフショアすることでリスクを背負うというデメリットも存在することは事実です。
そこで今回は生産基盤をオフショアに移すメリットとデメリットについてお伝えしたいと思います。

オフショア開発の移り変わり

近年輸送と通信技術の発展にともない急速にグローバル化が進んでいくようになりました。
グローバル化によって日本にも海外企業が進出してくるようになり、それと同時に日本企業も海外へ進出する機会が増えてきました。
かつては日本国内で製造・生産した製品を海外に持って行き販売するのがほとんどでしたが、ここ最近では、製造・生産の拠点を海外に持って行き、そこで製造された製品を現地で販売する企業も増えてきています。またここ数年は製造業だけではなく、IT業界ではシステム開発やWEB開発だけではなく、スマートフォンの普及によってアプリやソーシャルゲーム開発も加わりオフショア開発の割合が日に日に大きくなっています。
最近はコールセンターやデータ入力などのBOPサービスもオフショア開発が始まっています。
以前はオフショア開発の魅力は物価の安い国にオフショア開発を依頼することで得られるコストの削減と人員の確保でしたが、オフショア国の経済発展と共に物価も上昇するようになると、必然的に賃金も上がっていきます。
日本や欧米諸国はインドや中国にオフショア開発を依頼していましたが、急速な経済発展によってコストが上昇して撤退する企業も少なくありません。日本でオフショア開発といえば中国がメインでしたが、ここ数年はベトナム・インドネシアといった東南アジアの国にオフショア開発を依頼する企業が増えています。またオフショア開発とは大きく言えば業務を海外の企業に委託することを指し、業務の一部を委託することも、生産基盤をすべて海外へ移行することもオフショア開発と呼びます。その際に、現地法人を設立して自社の拠点を構えるか、現地の企業と業務提携をして仕事を依頼するパターンがあり、生産基盤を現地へ移行している企業は現地法人を設立しているケースがほとんどです。

生産基盤をオフショアに移行するメリット

オフショア開発を利用する企業が増えていった背景には、当然ながら国内生産と比べてデメリットを考慮しても、それを上回るメリットがあるからだと言えます。そのメリットとはどんなものでしょうか?

日本国内よりもコスト削減が可能

企業にとってコスト削減は最大の魅力です。世界有数の物価高の日本にとっては日本よりも物価の安い国を探すのは簡単です。
とくにオフショア開発国は新興国または発展途上国と言われる国が多く、日本より安い賃金で人員を確保することができます。
また事業をする際に必要な場所の賃貸料やその他の諸経費も海外のほうが安く、人件費や諸経費などの必要経費を安く抑えることができ、その分が企業の利益になります。

人員の確保が容易

近年IT業界では慢性的な人手不足に悩まされていて、大手IT企業を除くほとんどの企業が人手不足だといっても過言ではないでしょう。
インターネットやスマートフォンの普及でIT業界の仕事が急増しているのですが、人手不足で追いついていないのが現状です。IT業界の中でも特にエンジニア不足が深刻です。理由はいくつかありますが主な理由は定職率の悪さに加えて、IT企業=ブラック企業のイメージが強く若い世代でIT業界を目指す人が少なくなっていることにあります。
その点オフショア開発国では豊富に人材がいるので人不足で困ることがありません。ベトナムやインドでは国がITエンジニアの育成に力を入れていて、優秀な人材がたくさんいます。大規模なプロジェクトで人材の数が必要になった時、日本国内の場合はチーム編成に時間がかかりますが、海外の場合は日本で5人集める時間と人件費で、10~20人集めることが可能になります。
コスト削減と人材確保がオフショア開発の最大のメリットになります。

生産基盤をオフショアに移行するデメリット

コスト削減と人員の確保は企業にとっては大きなメリットです。
しかしながら、メリットだけではなく生産基盤をオフショアへ移行するにはいくつかのデメリット存在するのは事実です。

コミュニケーションを取るのが難しい

言葉や宗教・習慣が違う相手とコミュニケーションを取るのはとても難しいです。
言葉は通訳を使って訳してもらえばよいですが、通訳の質によっては間違った訳があるなどのトラブルが後を絶ちません。
また宗教や習慣で日本では問題ないことが相手の国ではNGであるケースや、その反対もあります。コミュニケーションが上手く取れていないと、小さな事がやがて大きな問題へと発展していく可能性があり、気を付けなければいけません。

労働意識の違い

何事にも真面目過ぎる日本人は、たとえば納期が間に合わないと思った場合、日本人の多くは何も言わなくても残業をして少しでも納期に間に合わせようと努力をします。しかし海外の場合は上司に言われない限りは、納期が間に合わないとわかっていても定時で帰ってしまう人がほとんどです。
どちらが良い悪いではなく仕事に対する認識の違いで、海外の人と一緒に仕事をするには認識の違いを理解しなければいけません。

相手国との政治的関係

生産基盤をオフショアに移行する場合だけでなく、業務の一部を委託するだけでも相手国と日本との関係が悪化した場合、政治的影響は避けられません。また新興国は政治的に安定していない国が多く、クーデターや政権交代による政策の急変で事業に影響することもあります。

コミュニケーション不足や労働意識の違いは、こちらの努力次第で改善の余地はありますが、相手国との政治的関係悪化はどうしようもできません。
反日デモや最悪の場合戦争が起こった場合は撤退をしなければならず、そのことも視野に入れておきましょう。

オフショアに人気の国々

日本が海外に進出してから数十年以上経ちその間に進出する国も変わってきました。
ここ最近日本企業が多く進出している国はミャンマー・カンボジア・トルコ・メキシコ・ベトナムの五か国です。
特にミャンマーは「アジア最後のフロンティア」と呼ばれ、軍政から民主制に変わった事により外国企業がどんどん参入して、急速に経済発展をしており、五年前から比べると10倍以上に増え、これからも増加すると予想されます。
長く続いた内戦も終わり、政治的にも安定し経済発展中のカンボジアもオフショア開発国として注目されている国です。
人件費も安く時差も二時間と短く、戦前からの日本と関係が深いことからミャンマーと同様に、最近注目をされている国です。
ASEANでインドネシア・フィリピンに次ぐ第3位の人口を持つベトナムは数年前から日本企業のオフショア開発国として中国をしのぐ人気のある国です。ベトナム人の手先が器用で向上心があり、勤勉な性格は日本人と共通するものを持っており、親日的な国民性も人気の一つです。

生産基盤をオフショアに移行するにあたってのメリットはコスト削減と人員の確保で、それは企業経営においてはとても重要なことです。
また現地に生産基盤を移行することで現地の雇用も生まれ、経済発展中の新興国でのマーケットの拡大も考えられます。

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