知らないと大損失!?オフショア開発のリスクと危険性を徹底解説!

【目次】
はじめに
オフショア開発のリスク1:情報漏洩
オフショア開発のリスク2:コストと納期
オフショア開発のリスク3:クオリティ
オフショア開発のリスク4:世界情勢
おわりに

はじめに

オフショア開発は、コスト削減を目的として検討している企業も多くあります。しかし、失敗に繋がるリスクも必ず考えておかなければいけません。このリスクの認識が甘かったばかりに、「コスト削減をするつもりが、逆に失敗して会社の損害をだしてしまった。。。」なんて事態も少なからず存在するのがオフショア開発です。

特に、システム開発のジャンルでは「プログラミング言語は世界共通だから、他の業界より海外進出のハードルが低いだろう!」と考えられがちですが、そもそも日本ではなく、海外の企業に開発を依頼することで様々なリスクが考えられます。

そこでこの記事では、そんなオフショア開発のリスクについていくつかご紹介します。

オフショア開発のリスク1:情報漏洩

海外の企業もしくは海外に子会社をおいてエンジニアやプログラマーを現地採用しシステム開発をおこなうことで、機密情報が流出するリスクをまず考えなければいけません。

担当者が故意的に情報持ち出しをする場合もあれば、セキュリティ意識の甘さから流出事故が発生するケースもあります。新サービスを提供するはずが、開発段階でその情報が漏れてしまうと自社で予定のサービスを提供できない他、他社に先手を取られてしまうという大きなデメリットにつながります。

こうした情報漏洩を避けるためには、現地のプログラマーを始め責任者であるエンジニアから一番重要なポジションとなるブリッジエンジニアまでも含めて情報に対する危機管理の教育や罰則についてあらかじめ確認しておく必要があります。ブリッジエンジニアを担当するほどの人材であれば、本来そうした情報流出の危機管理意識はもっているはずですが、絶対におこなってはいけないことを再認識してもらい、現場で意識づくりをさせるためにも現場に関わる全員を対象として実施しておく必要があります。

当然依頼前にセキュリティ環境はどの程度のレベルであるかを確認しておき、依頼しても問題がなさそうかの判断もする必要があります。特にラボ契約型ではなく、現地の担当メンバーがよく入れ替わるような依頼形態であれば、入れ替わり立ち代わりで機密情報に触れる担当者がそれだけ多くなりますので、最新のシステム開発をおこなうプロジェクトではできるだけ担当者が限られているラボ契約型で委託をすることをおすすめします。

オフショア開発のリスク2:コストと納期

オフショア開発では、「予定していた納期が遅れてしまった」「思っていた以上に工数がかさんでコストが増えてしまった」というのもよくある失敗例です。

最初に依頼どおりに完成するとは考えずに、コストも納期もある程度はかさむことを覚悟しておきましょう。開発でコストと納期が当初の予定どおりに進むと考えるのは、過去にも問題なく依頼が完了しておりさらにそのメンバーが変わっていないときだけです。過去に問題がなかった会社でもラボ契約型の同期間内でなければ、当時の優秀な人材が担当から離れていることも多いため、会社単位で信頼性を考えるのは危険です。

また、最初はある程度のエラーなどが出てきても妥協することが大切です。途中で発生するエラーをすべて修正するとそれにより進行に影響が出てしまうこともあります。海外ではプログラマーやエンジニアが自分が担当しているものを完成させることを優先し品質まで重要視しておらず、特に修正作業が進捗に反映されない管理方法であれば修正に乗り気でなくなってしまうことが多いです。進捗を修正作業も加える方法で管理したり、多少のエラーは日本で修正すると考えて作業全体を進めてもらうなど妥協点を見つけることが予定どおりの納品につながります。

オフショア開発のリスク3:クオリティ

コストの増加や納期の遅延に加えて、「あれ、、完成品のクオリティが想定していたよりも低い、、、」なんてこともオフショア開発で考えられるリスクの1つです。

先ほどの修正作業でもあげたように、海外の担当者は自分は受けもった仕事を進めることに関しては強い意識をもっていて、進行状況だけ見ると非常によい仕事をする人材に見えることは多いです。しかしエラー発見や訂正までは自分の仕事ではないと考えていて完成ははやくてもフタをあけると品質はあまり気にしていなかったというケースもあります。

特にテスト作業を仕様書に記載していないことで、テストやバグの発見、その修正は別作業だからしなくて当然と考えられてしまうこともあるほどです。品質を重視する日本では考えにくいですが、必ず仕様書には完成品のテスト作業と修正作業を合わせて進行することはもちろん、どんなシステムを作ってもらいたいのかを具体的に記載して発注することが大切になってきます。

特に日本の企業同士のやり取りでは、最初は大体の内容だけ発注し、後からでてきた案を付け加えたり、進行しながら案を変更し方向性も変えていくことがあります。しかしオフショア開発では曖昧な発注、途中での仕様変更は失敗をする原因としてよくあるケースですので、下準備をしっかり固めてから発注しなければいけません。

オフショア開発のリスク4:世界情勢

最後は起きる可能性が高くない問題ではありますが、世界情勢により開発の中止を余儀なくされるというケースです。

例えば2012年に発生した中国による反日デモでは日本企業の工場や日本製の自動車が放火されるなどの事例がありました。こうした過激な事態になったとしても、依頼をしている企業が日本企業である自社へ攻撃をするといった事件へ発展するのは可能性としてはかなり低いですが、現地での危険防止の観点から日本の仕事を請け負っている企業が作業を中止することは大いに考えられます。また開発を依頼できるほどの国であればこれも可能性は低いですが、その国が紛争に巻き込まれることも作業中断に繋がる理由となります。

依頼している作業が中断してしまえば、当然スケジュールどおりに納品されることも難しく、最悪の場合はプロジェクトが中断してしまうこともあるでしょう。この世界情勢に関しては依頼側や開発側どちらにも原因はない問題です。そのため、業務を委託する国が日本との友好関係に問題がないか、国の内政なども踏まえて抑えておくべきです。

もしも作業が中断する可能性が考えられる情勢となったのであれば、委託している内容がストップした場合を想定したり、依頼内容の一部を日本で請け負うなどのリスクヘッジを考えておくとよいでしょう。

おわりに

海外でオフショア開発をするにあたってどのようなリスクが考えられるのかをご紹介しました。

  • オフショア開発には機密情報が流出するリスクもあるので、最新システムなどを開発する際には開発チームの入れ替えかわりが少ないラボ型開発がおすすめ
  • 最初は依頼どおりに完成するとは考えず、コストも納期もある程度はかさむことを覚悟しておくべき
  • 品質のクオリティを落とさないためにも、仕様書にはテスト作業と修正作業を合わせて記載することが大切
  • 委託先を検討する際には、その国が日本との友好関係に問題ないか、国の内政なども踏まえて抑えておこう!

世界情勢によるプロジェクトの中止などは可能性としてはとても低いですが、納期が当初より遅れてしまいコスト増加してしまうこと、そして納品されたものが納得のいくクオリティではなかったというのはオフショア開発でよくある失敗事例です。オフショア開発は、時としてコストメリットよりも損害が大きくなってしまったというケースもあるので、リスクに対しての対策は怠ってはいけません。

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