【オフショア開発デメリット】オフショア開発失敗の原因はココにある

はじめに
オフショア開発のデメリットとその対処法
 1.言語や文化の違い
 2.距離の遠さ
 3.管理が手間
 4.小さな案件の場合はコストメリットがでにくい
おわりに 

はじめに

オフショア開発にはコスト削減や優秀な人材の確保というメリットもありますが、海外でシステム開発をすることで生じるデメリットもいくつかあります。デメリットを知らずにオフショア開発を進めてしまうと、
「思ったより時間がかかり、納期に間に合わなかった」
「品質に問題があり人員を追加したため、返って時間とコストがかかってしまった」
なんてよくある失敗例につながってしまいます。
そこでこの記事では、オフショア開発のデメリットとその対処法について解説します。
失敗例も多いといわれるオフショア開発ですが、その多くは未然に防げるものばかりです。ぜひオフショア開発に踏み出す前に一読し、リスク管理の準備をしましょう!

オフショア開発のデメリットとその対処法

デメリットその1:言語や文化の違い

オフショア開発では、違う国のエンジニアとともにプロジェクトを進めます。プログラミング言語は世界共通なので、言語の壁はそれほど関係ないのでは?と思っている人もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
オフショア開発のよくある失敗例の一つに、「品質のトラブル」があります。納品された製品の品質に問題がある場合です。極端な例ですが、例えばECサイトを作成してくださいとだけ依頼をした場合、日本ではお気に入りやおすすめ機能、売れ筋ランキングなど役に立つ機能をつけることを当たり前のこととして実行しますが、そうした機能が一切なくカート機能だけのシンプルなもの納品されたというようなものです。
こうしたトラブルが起こる原因は、依頼主と依頼先の間にある品質水準の認識のズレにあります。この認識のズレを埋めるためには、依頼書だけでは伝わらない細かな指示を直接相手に伝える必要があるので、オフショア開発において、言語の違いは大きな障壁となります。
また、文化の違う国では宗教の違いや祝日の違いを把握する必要があります。これを無視して祈りの時間に会議をいれてしまうと侮辱行為と勘違いされたり納期に間に合わなければ休日出勤もやむを得ないという日本の文化は海外では通用しません。
国の違いを理解し、こちら側から歩み寄る姿勢を持ちましょう。

対処法

言語や文化の違いは、ブリッジSEを雇うことで対処できます。ブリッジSEとは、互いの言語や文化を知る両国間の架け橋となるエンジニアのことです。依頼先の開発会社で雇うこともできますし、自社にブリッジSEとなりうる人材がいる場合にはぜひ活用しましょう。

デメリットその2:距離の遠さ

開発チームと距離が遠いことで、時差が発生します。オフショア開発では認識のズレを埋めるために何回もの打ち合わせが必要になりますが、時差により、打ち合わせができる時間も限られてしまいます。また、フィリピンなどの交通網が整備されていない国では、朝のラッシュ時になると出社に2時間以上かかることも多く、委託先の出社時間をずらしたいという要望もよく聞く話です。
日本での案件と同じように、変更や修正があった場合は社内ですぐに会議を開いて解決するということは難しいのです。

対処法

最近ではSkypeなどのビデオ通話機能の発達により、委託先との打ち合わせがしやすくなりました。また、飛行機の値段もひと昔前に比べだいぶお手頃になったので、最低でも月に一度くらいは相手国に行き、現地で直接コミュニケーションをとることを心がけましょう。委託先の人々も、同じプロジェクトを担当している人と直接顔を合わせることは、モチベーションアップや、信頼関係の構築にもつながります。

デメリットその3:管理が手間

オフショア開発では、品質や仕様における細かな進捗状況の確認が必要となります。また、仕様書に関しても、日本で作成するものと違い、より細かいところまで具体的に記載しなければなりませんし、日本語から英語に翻訳する必要もあります。時間や手間がかかるというデメリットは否めません。

対処法

品質への認識のズレを埋める手段としてラボ型開発という契約方法があります。これは、「ある一定期間、案件の有無にかかわらず開発チームを雇う」契約方法であり、自社の開発チームができるため、何度も品質への認識齟齬を確認する手間は省けます。また、一定期間で雇う契約形態なので、製品の品質に問題があった場合でも、修正をすぐに依頼することができ、大型の開発案件や、案件が継続的に複数ある企業には人気の契約方法です。

デメリットその4:小さな案件の場合はコストメリットがでにくい

オフショア開発は、人件費の安い人材を雇うことでコストメリットをだす開発手法なので、人材を雇えば雇うほどコストメリットも増えていきます。反対に、小規模案件の場合は、現地への渡航費や宿泊費がかさみ返ってコストメリットが出ないなんてこともよくあるオフショア開発の失敗例です。

対処法

オフショア開発では、確かに小規模案件でのコストメリットは出にくいです。具体的には30万円以下のHP作成などの案件ではほぼコストメリットがでないといわれています。
しかしながら、オフショア開発のメリットはコスト削減だけではありません、優秀な人材の確保、海外ビジネスの可能性、震災時のリスク分散などの様々なメリットがあります。小規模案件の場合は、何をオフショア開発の目的するのかを明確にし、本当に企業にとってオフショア開発が必要なのかをしっかり見極めることが必要です。

おわりに

失敗事例も多いといわれるオフショア開発ですが、デメリットを事前に把握し、リスク管理をしていれば防げる問題ばかりです。
オフショア開発を検討する際には、メリットだけでなくデメリットにも目を通し、徹底したリスク管理をすることで、失敗を未然に失敗を防ぎましょう!

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