オフショア開発で活躍するブリッジSEに共通する4つのスキル

オフショア開発は、開発業務を人件費の安い海外の企業に委託することでコストダウンを狙う開発手法ですが、いざ活用しようと思っても、

「現地とのコミュニケーションがうまくとれずに失敗してしまった」
「仕様書の内容とは違う製品が納品された」

など、言葉の壁や文化の違いなどからコミュニケーションがうまく取れず、プロジェクトが失敗してしまうことも多々あります。

その中で「ブリッジSE」と呼ばれる職種が注目を集め、活躍する人も多くなっています。

そこでこの記事では、ブリッジSEの役割や、求められるスキルについてご紹介します。今後ブリッジSEになる可能性のある人や、オフショア開発をしようと検討している方はぜひ参考にしてください!

ブリッジSEとは?

ブリッジSEとは、海外企業(オフショア委託先)と日本企業(オフショア依頼主)間のコミュニケーションの橋渡し役を担うシステムエンジニアのことを言います。

日本企業側に行う業務としては、開発業務の進捗をメールで報告したり、日本と現地開発チームの会議などの際に、通訳の役割などを担当します。

海外企業側で行う業務としては、開発案件の指導、サポートの他にも開発チームのマネジメントなど、プロジェクトマネージャーの役割を担当するケースが多いです。

ブリッジSEに必要な4つのスキル

スキル1:コミュニケーション能力

ブリッジSEに必要なスキルの1つ目として挙げられるのがコミュニケーション能力です。

基本的にここで言われるコミュニケーション能力とは、英語をはじめとした外国語での会話が大前提となります。海外がビジネスの舞台となる以上、基本的にはブリッジSEには一定以上の英語能力は必須と言えるでしょう。

オフショア開発の中でブリッジSEは、発注元である日本企業と受注先である海外のオフショア開発企業との間に立ち、「コミュニケーター」として橋渡しを行う業務が求められます。

基本的には世界共通語である英語でのコミュニケーションができれば問題ないと言えますが、ベトナム語や韓国語といった公用語をピンポイントで使えればさらにスムーズにコミュニケーションが取れることも多いです。

このため、日本語や英語以外にも話すことができる言語が多ければ多いほどブリッジSEとして求められるスキルを持っていると言えるでしょう。

スキル2:マネジメント能力

次にブリッジSEとして求められるスキルはマネジメント能力です。

ブリッジSEは発注元と受注先という異なる開発現場の間に立ち、「コミュニケーター」として伝言や調整を行わなければなりません。双方に物事をわかりやすく伝え、開発をスムーズするための流れを考えることはもちろん、納期に間に合わせるために工程を考えて、チームの士気を高めていく必要があります。

また、オフショア開発で作られているものの品質が開発国では十分であったとしても、日本では低いものになってしまうことを防ぐために、品質管理のマネジメントもできることがブリッジSEとして求められるスキルです。

そのために取得しておいたほうがいい資格というのもあり、特にPMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)は国際的に統一されたプロジェクトマネジメントに関する資格で、受験資格として長時間の実務経験とPM経験の両方が必要になるので、ブリッジSEにはおすすめの資格です。

スキル3:技術力

ブリッジSEに求められるスキルの3つ目としてご紹介するのが技術力です。

ブリッジSEで技術力というと実際に設計を行ったり、他のSEと一緒に開発を行うことを指すと考える人が多いでしょう。

もちろんブリッジSEであっても開発の技術力は必要不可欠なのですが、それよりも仕様書や要件定義書の中身をかみ砕いてしっかりと落とし込む技術力が重要です。日本国内でのプロジェクトでは細かい落とし込みがなくてもある程度のフィーリングで伝わるケースでも、オフショア開発ではこのようにフィーリングで考えなどが伝わるということは難しいと言えます。

そのためブリッジSE自身が細かい落とし込みができていないと発注先からの要求を自分では理解できていても、開発業務を行うプログラマーには伝わらず、結果として要求を満たすレベルにならないということも起きてしまうからです。

スキル4:文化の違いへの理解力

ブリッジSEに求められるスキルの中で最後にご紹介するのは文化の違いへの理解力です。

共に開発案件を進めていくうえで、「コミュニケーター」であるブリッジSEに文化の違いへの理解力がなければ、オフショア開発がスムーズに進まないことはもちろん、結果として失敗につながってしまうリスクも非常に高くなってしまいます。

仕事における文化の違いというと難しく考えがちですが、国ごとに少しずつ異なる仕事に取り組む姿勢や仕事に関する考え方などの違いを受け入れて、互いに理解しあうための架け橋となることが求められます。
このためブリッジSEには日本の環境を相手に押しとおすのではなく、さまざまな違いをしっかりとリサーチし理解した上で、どのようなやり方が双方にとって効率的に作業を進められるか、という調整を行うことが求められます。

おわりに

いかがでしたか。今回はオフショア開発の中でお互いの橋渡し役として重要な役割を持つブリッジSEに求められる4つのスキルがどのようなものか、ご紹介してきました。

ブリッジSEに必要なスキルまとめ

  • 日常会話に支障がないレベルの英会話
  • 開発工程や品質管理におけるマネジメント能力
  • 仕様書をこまかく理解し、現地エンジニアに落とし込む技術力
  • 互いの環境に合わせた答えを導く柔軟性
ブリッジSEはその需要も増加傾向にある将来性のある職種です。留学経験や英語に自信がある人はもちろんキャリアに関係なく若手でもチャンスがあるポジションと言えるので、収入を上げるために求められるスキルは高くなりますが、企業にとって重要な人材になれると言えるでしょう。

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