オフショア開発で使われるC言語とは?オフショアの開発言語を知ろう

オフショア開発は海外の安いコストの人材を活用し、世界共通であるプログラミング言語を使いながらソフトウェアなどの開発を行う方法です。使われる言語としては、PHPやruby、最近はPythonなどもありますが、依然としてC言語は昔から今まで使われており、多くのソフトウェア開発に関わります。ゲーム開発からソフトウェア開発まで幅広く使われる言語であり、プログラミング言語というとC言語を思い浮かべる人も多いでしょう。それではC言語とはどのようなプログラミング言語なのか、歴史や特徴を見てみましょう。

C言語の歴史

1972年にベル研究所にいたデニス・M・リッチーとライアン・W・カーニハンいう人物が開発しました。アセンブリ言語で書かれたUNIX上で動作するB言語の改良版として開発されたのです。コンパイラを使うことにより、UNIXの大部分をC言語に書き換えたので有名になります。このようなUNIXの移植性を高めるために開発されました。そして、オブジェクト指向の仕様を追加したのがC++です。C言語とともに現在有名なプログラミング言語となっています。
C言語という名前は、もともとあったB言語の次のプログラミング言語のために、このような名前が付けられました。B言語はベル研究所のケン・トンプソンによって作られた言語です。B言語については、BCPLというプログラミング言語の名前から使われているのが由来らしいと言われます。ちなみにD言語というのもあり、これはやはりCの次だからD言語と名付けられました。2007年にバージョン1が発表されたばかりの新しい言語で、それほど浸透はしていません。ちなみにA言語はありません。
UNIXで実績があったのでその後広く普及していきますが、それ以外にも普及の理由はあります。コーディングが容易である、コンパイラ開発が容易である、少ないリソースで実行できるなどです。解説書も多数あるので、今では覚えやすい言語の1つと言えるでしょう。現在のシェアで言うと、javaの次にシェア率の高い言語となっています。また2011年改訂のC11という規格が最新です。

業務系と組み込み系

C言語に触れていくと、業務系と組み込み系という言葉を聞くかもしれません。これは使われる場所の特徴を示しています。
業務系はその名の通り、業務系ソフトウェア開発に使うC言語のことを言います。たとえば、銀行の債権管理システム、顧客管理システムなどです。そのためにC言語を使うならば、アプリケーション開発の知識が求められます。
組み込み系は電化製品や電子機器などの電子制御を行う製品の開発に用いられるC言語です。カーナビや家電制御などで用いられます。そのために電子回路を制御する知識が必要です。今はスマホのアプリが盛んになっているので、これも組み込み系の一種と言えるでしょう。
C言語の他には、C++やC#などの似たような名前の言語もあります。C++はオブジェクト指向を取り入れた言語であり、C#はMicroSoftが開発した.NET Frameworkというフレームワークと一緒に開発されました。
UNIXではアセンブリが使われ、やがて便利だということでC言語が変わって使われるようになりました。昔、C言語は遅いプログラミング言語だといわれていましたが、最近はハードの処理速度が上がったために、遅い部分を補って遅いということは気にならなくなっています。しかしどの言語についても得手不得手はあります。そのために、オフショア開発をするにしても、C言語のみならず、アセンブリなども使ってそれぞれの良いところを使って開発していくのです。

C言語の需要

開発されてから40年以上経過し歴史が長く古い言語のC言語は、古いといっても決して使えないということではありません。PHPなどのweb系で使われるような軽量な言語が流行っている中で、C言語をマスターしていないエンジニアが増えていることから、使いこなせるエンジニアの需要は高まっています。
家庭用の家電、ゲームソフトの各種制御などまで行い、製造業などでも使う言語です。便利なところにはC言語が使われており、多くの業界に進出可能です。それほどに長い歴史とともに社会に根付いて需要があります。広く多くの場所で使われている、一般的になってきいる言語です。
特に組み込み系の開発現場では、コードサイズをコンパクトにできシンプルな実行形態であるために、重宝される言語です。シンプルな実行形態なので、リアルタイムで処理するようなシステムにも柔軟に対応できます。またメモリ領域を直接さわれるので、かゆいところに手が届く言語であり、アセンブリレベルでデバックが容易です。そのために低レベル領域でも不具合に気づきやすいです。特にハードウェアにソフトウェアを使うと、境界線が曖昧なので、不具合があってもどこにあるか見つけるのが困難です。しかしC言語だと、低レベル領域で動作確認を行うことで、ハードウェアとの連携も簡単になっています。既存のシステムでC言語が使われているために、javaなども開発言語にはありますが、需要はなくなることはないでしょう。

業務システムに使える言語

システム開発は高品質低コストというのが主流となってきており、オープンソースの活用は不可欠です。サーバーのOSはLINUX、クライアントPCでもUbuntuが採用されるシーンは多く、オープンソース全盛期の今、C言語はますます重要となるでしょう。主要なオープンソースソフトウェアの多くはC言語で作られており、C言語を理解すればその根本に直接アクセスできるのです。
例えばサーバーエンジニアだと、スクリプト言語を習得している方はいますが、C言語も学べば業務の幅がより広がります。業務系の大規模なシステムでは、よくC言語は使われます。大規模になるほど稼働年数は長くなり、汎用性の高い言語が開発に使われるようになるので、歴史長くすでに浸透しているC言語が選ばれることが多いです。C言語の歴史が長いというのは1つのメリットになっているでしょう。
また最近はIoTやAI技術が発展してきているので、そのような部分でもC言語の需要は高まっています。組み込み系ではC言語は必須というほどであり、電子機器やロボットを開発するにも使います。多くの業界で使う言語なので、習得しておいて損はないでしょう。ただ開発で使う場面は多いですが、それ故にどの業界で使いたいか考え学んでいかないとなりません。基礎であればどんな方法で学んでも構いませんが、業務で使うとなると、それぞれの業務で必要とされるスキルは違うので、その必要なスキルを身につけるようにしてください。
C言語は広く使われているので、解説書も多くネットでも解説しているサイトも多いです。学ぶには環境が整っており、学びやすい言語と言えるでしょう。コンパイラも用意されているので、自宅のパソコンを使ってもC言語でコードを書いてみることができます。また無料から有料までC言語の講座も充実しており、学びやすいです。

いろいろな言語の基礎ともなるC言語は、大きく分けると業務系か組み込み系となります。どちらも学んでマスターしているエンジニアもいれば、片方だけ得意とするエンジニアもいます。C言語はキャリアの幅を広げるのにも役立ち、オフショア開発で使うにも役立ちます。C言語に触れてスキルチェンジしたいというような方もいます。ただ開発ではC言語だけでなく、他の言語も併用しそれぞれのメリットを生かして行うことも多いです。いろいろな言語が登場していますが、昔から使われてきた言語なので、これからも需要はあり開発現場でも使われていくことでしょう。

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