フィリピンオフショア開発にかかるコストは?コスト削減の秘策も解説

【目次】
はじめに
オフショア開発でかかるコストの内訳
フィリピンの人件費は?
コスト削減のために覚えておきたい「ラボ型開発」
フィリピンだからこそコスト削減できる理由
おわりに

はじめに

システムなどの開発コストの大半を占める人件費

その人件費を削減するため、日本よりも賃金の安い海外のIT人材を活用しシステム開発をするオフショア開発ですが、かつてはその委託先のほとんどが中国でした。

しかし近年では、中国の経済発展に伴う人件費の高騰から、新たな委託先として東南アジアへ注目が集まるようになっています。東南アジア諸国ではオフショア開発の誘致を目的とした人材の育成などが行われるようになり、日本企業にとっては「どこの国にオフショアするか」という選択肢が増えました。

このような複数の候補からオフショア開発を行う国を選ぶ際には、国ごとにどれくらいのコストがかかるのかを把握する必要があります。

そこでこの記事では、オフショア開発を行う際にかかるコストの内訳や、オフショア開発の委託先として人気のフィリピンにおけるコスト目安について解説しています。

この記事でわかること
  • オフショア開発でかかるコストの内訳
  • フィリピンの人件費
  • ラボ型開発について
  • フィリピンだからこそのコストメリットについて

オフショア開発でかかるコストの内訳

人件費

一般的に、オフショア開発の目的は人件費を削減することです。上述したようにシステム開発にかかるコストの多くは人件費が占めています。そこで、人件費が日本よりも格段に安い東南アジアなどの国に開発を依頼することで、開発費用を抑えるのです。詳細な人件費に関しては業種や国によって異なるため、企業にとってオフショア開発を行う国選びは特に重要となります。

整備費

人件費以外でオフショア開発にかかるコストとしては、現地で使用する施設や業務上必要な設備の整備費などが挙げられます。しかし、どのような施設や設備を必要とするのかは業種や業務内容によって大きく異なるため一概にはいえず、委託先となる国や地域によっては、これらのコストがほとんどかからないこともあります。

育成費

また、オフショア開発を行うにあたって、日本側でも新たなスタッフの育成が必要となる場合があります。
そのため、オフショア開発を行うためのコストには、このような新たな人材の育成にかかる費用も計上する必要があります。ただし、現地で仕事を行うスタッフの多くは既に基本的な技術が身についていることが多いため、その育成で多大なコストがかかることは少ないでしょう。

その他費用

このほか、より細かなコストとしては現地へスタッフを派遣する際に必要な交通費や宿泊費、現地スタッフと連絡を取るための通信費などが挙げられますが、これらの詳細な金額もまた業種や業務内容によって異なります。

オフショア開発にかかるコストはケースバイケースです。
見積りを出す際には、委託先となる現地の人件費、整備費や育成費をあらかじめ確認しておきましょう。

フィリピンの人件費は?

続いては、フィリピンの場合に限定したオフショアコストをみていきましょう。

国家統計局国際労働機関によると、フィリピンでは月収18万円以上の人を高所得者と呼び、その割合は全体の15%ほどです。オフショア開発で活躍する「ブリッジエンジニア」レベルのエンジニアですと、フィリピンで高所得者の部類に入りますので、そのようなエンジニアの月給は約16~18万円が相場です。その他、一般的に新卒レベルのエンジニアで一人当たり3~4万円、3年以上の経験者レベルで5~6万程度の月給といった相場になっています。

ちなみに、ITエンジニアの平均給与は中国だと25万円~35万円、インドだと約30万円となっていることから、より安い人件費で優秀な人材が確保できるという点で、フィリピンは中国やインド以上にIT業界でのオフショア開発に向いているといえます。

フィリピンオフショアのリアルな実態を調査した記事はこちら

コスト削減のために覚えておきたい「ラボ型開発」

オフショア開発の業務の遂行方法にはいくつかのスタイルがありますが、中でも特に多いのが案件ごとに人材を確保するという方法です。この方法では、案件が発生したときにだけオフショア開発を行った国へ業務を委託するため、案件がないときや国内のスタッフだけでこなせる程度の案件の際には、余計な人件費を支払わずに済むというメリットがあります。

しかし、オフショア開発を行っている企業の中には安定して案件が発生する企業も多いことから、その都度現地で人材を集めていると、無駄な時間やコストがかかるだけでなく、優秀な人材を他社にとられてしまうというリスクも発生します。これらの問題を解決できる手段のひとつが「ラボ型開発」です。

ラボ型開発とは、従来の案件が発生するたびに人材を集めるオフショア開発とは異なり、仕事量の最低保障と期間を定めた上で契約を行う新しいスタイルのオフショアです。

この方法では、人件費が若干高くなってしまう可能性はあるものの、優秀な人材を確実に確保できるという点で大きなメリットがあり、仕事の効率化やより少ない人数での業務の遂行なども可能となります。そのため、人件費が高くついても全体でのコストは逆に削減できる可能性が高く、オフショア開発を行う多くの企業がこのラボ型開発に注目しています。

フィリピンだからこそコスト削減ができる理由

東南アジアでのオフショア開発は近年特に盛んになっていますが、その中でもフィリピンはベトナムやカンボジアと並んでオフショア開発国として選ばれることが特に多くなっています。その理由としてはフィリピンだからこそコストを削減できる文化的・地理的な特徴があることも挙げられます。

英語が公用語

フィリピンは英語が公用語であるため、日本側に英語が堪能なスタッフさえいれば意思の疎通が問題なく行えるというメリットがあります。また、英語が話せるということは現地での人材育成の効率化においても大きなメリットがあり、例えば専門用語が多いIT関係の学校へフィリピン人が入学しても、英語の専門用語をスムーズにを覚えることができるので、フィリピンではより優秀な人材が育ちやすいというメリットもあります。

日本人との相性がいい

フィリピン人はまじめで勤勉な性格な人が多いことから、日本人との相性がとてもいいと言われています。国民性の相性は業務の効率化に直結してくるので、とても重要です。
逆に、日本人と合わない国民性をもつ国は中国と言われています。品質問題からもわかるように、中国人は一定の基準を満たしたらそれ以上は突き詰めないという性格があります。そのため、高品質を求める日本人の感覚とはズレが生じやすいのです。

日本との時差は1時間

フィリピンと日本の時差は1時間しかないため、電話やメール、スカイプによる連絡がスムーズにできるという点も大きなメリットです。オフショア開発では細かな進捗確認がかかせません。その際に時差が少ないほど、互いにストレスなく連絡を取り合うことができます。

これらの要素がそろっていることから、フィリピンは業務の効率化が図りやすく、オフショア開発におけるコスト削減の効果が出やすい国であるといえます。

おわりに

フィリピンのオフショア開発にかかるコストについて解説しましたがいかがでしたでしょうか。

  • 新卒レベルのエンジニアで一人当たり3~4万円、3年以上の経験者レベルで5~6万程度
  • 継続的に案件がある場合は「ラボ型開発」がおすすめ!
  • フィリピンは公用語が英語なのでコミュニケーションがとりやすい
  • フィリピンと日本は国民性の相性がいい
  • フィリピンは日本との時差が1時間なので、気軽に連絡がとりやすい

フィリピンは近年オフショア開発の委託先として人気の国になってきています。オフショア開発の委託先を検討しているという企業の方は、ぜひその選択肢にフィリピンもいれて検討してみてください!

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