【失敗例から学ぶ】他社には教えたくない!オフショア開発成功の秘訣

国内のIT人材不足は年々深刻な問題となっています。2020年には最大で80万人のIT人材が不足するだろうと予測される時代の中で、一つの解決策となりうるのがオフショア開発です。実際にオフショア開発を導入している日本企業は45.6%とのデータもあります。
しかしながら、
「オフショア開発で失敗し、大きな損失が出た。」
「納品された製品にトラブルが見つかり、納期に間に合わなかった。」
などという失敗事例もオフショア開発ではよくあります。
そこでこの記事では、オフショア開発のよくある失敗例を紹介し、事前にできるリスク管理や解決策を解説します。「備えあれば憂いなし」ということわざにもあるように、失敗例も多いオフショア開発では周到な準備や心構えが必要です。
ぜひ最後まで読み、オフショア開発を実行に移す前の参考にしてみてください。

オフショア開発とは

オフショア開発とは、システムやソフトウェアの開発を海外の開発会社や子会社に委託する開発手法です。

オフショア開発のメリットは、日本よりも人件費の安い海外で開発業務をすることによる人件費の削減と、国内で不足しているIT人材を大量に確保できることなどがあります。

オフショア開発のよくある失敗例

では早速オフショア開発のよくある失敗例を見ていきましょう!

失敗例1:コミュニケーションがうまくとれない

オフショア開発では言語も文化も違う人達と一緒にプロジェクトを進めていきます。
プログラミング言語は世界共通だからと言って油断していると、細かい仕様の確認や、意思疎通が図れず、あいまいなまま作業が進んでしまいます。こまめにコミュニケーションをとることは、信頼関係の構築にもつながりますので、積極的なコミュニケーションはオフショア開発にかかせません。

失敗例2:低品質、仕様違い

「納品された製品のクオリティが低い」「依頼していた仕様と違う」
こんな失敗例もオフショア開発ではよく耳にします。これらの失敗の大きな原因となるのは、開発業務を委託先にまるなげしてしまう開発のブラックボックス化と、依頼主と委託先の間にある商習慣の違いです。
オフショア開発では、コミュニケーションがとりにくいことから、仕様書を渡した後は開発業務をほとんどまるなげしてしまう企業もあります。日本人はサービス精神旺盛な性格ゆえに、仕様書に書かれていないことでも、自分から便利な機能をつけ足したり、相手側にサービスの提案をしますが、海外ではそのような日本のビジネス感覚は通用しません。
オフショア開発で、仕様書を作成する際には、「相手は仕様書に書かれていないことはやらない」という認識で作りましょう。詳細に、かつ、わかりやすく作成することが、オフショア開発で高品質な製品を創り出すための成功の秘訣です。

失敗例3:開発会社選びを失敗する

「開発会社のスキルが思ったよりも低かった」「開発会社の応答が遅くて不安…」
こんな開発会社への不満もオフショア開発のよくある失敗例の一つです。委託先の開発会社が、どれほどのスキルを持っているのか、どのような案件に対応してくれるのか、これは実際に会って働いてみて初めて見えてくる部分でもあります。
「実際に働いてみたら思ったよりもレベルが低かった」これは開発会社だけが悪いのではありません。オフショア開発会社のエンジニアは若くてやる気のある人材が多いことが特徴です。日本の高い技術力を身に着け、自身のスキルアップをしようと意気込んでいるエンジニアもたくさんいます。それゆえ少しばかり難しいと思われる業務でも、口ではできるといってしまうこともあります。
エンジニアを雇う際には、できれば実際に会って面接をすることが一番です。

失敗例4:コストメリットが思ったよりもでなかった

オフショア開発最大のメリットは開発コストの削減です。
海外の安い人件費のエンジニアを採用することで、コストメリットを出すオフショア開発では、案件が大きくなり人材を雇うほどコストメリットも大きくなります。そのため、小規模の案件では、渡航費や宿泊費がかさみ「思ったよりもコストがかかってしまった」という失敗例も少なくありません。コスト削減のみを目的とせず、コストとスキルのバランスを見極めて開発会社を選択する必要があります。

オフショア開発成功の秘訣4つ

では、オフショア開発を失敗しないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。その解決策を紹介します。

その1:コミュニケーションのルール化

オフショア開発を成功させるためには、なんといってもこまめにコミュニケーションをとることが大切です。ブリッジエンジニアとの事前の研修などで、コミュニケーションをルール化しておくことをおすすめします。
例えば、「特別な理由がない限り連絡はその日のうちに返す」「週に一回はスカイプで進捗状況を報告する」などです。このように先にルールを決めておくと、相手とのコミュニケーションも円滑になり、返信が遅いなどのストレスもなくなるのでおすすめです。

その2:文化の近い国を選ぼう

日本と海外ではビジネスの感覚が異なると説明しましたが、それでも比較的日本と文化の近い国は存在します。具体的には、ベトナムやミャンマー、シンガポールなどです。これらの国は、日本人と国民性も近く、親日国なので近年人気のオフショア開発委託先です。
これからオフショア開発の委託先を検討する人は、ぜひ国選びも慎重に行いましょう!

その3:開発実績をチェックしよう

開発会社のエンジニアのスキルは、実際に働いてみないとわからないこともたくさんあります。実際にこれまでかかわったプロジェクトの開発実績を確認したり、「ITサービスの実務能力の明確化・体系化した指標」として策定されたITSSや、外国人の日本語能力日本語資格試験であるJLPTなどの客観的な指標となる試験を事前に受けてもらうことをおすすめします。

その4:ラボ型開発を活用しよう

オフショア開発でコストメリットをだすには、中長期的で規模の大きい案件の方が向いています。しかし、小規模でも継続的に案件がある場合はラボ型契約という契約形態を活用することで、コストメリットが出やすくなります。
ラボ型開発は、「ある一定期間(おもに半年~1年)で発注する仕事量の最低保証を行う契約形態」で、この場合自社の開発チームを一定期間確保できることになるので、開発案件が複数あり、優秀なエンジニアを確保しておきたい企業に人気の契約形態です。このように、企業によって適している契約形態や委託先が異なるので、開発会社を選ぶ際にはそれらを踏まえて慎重に決める必要があります。

おわりに

オフショア開発はリスクも高く、確かに失敗事例も多いのが事実です。
しかし、その失敗は企業側の準備不足によるものも多く、失敗事例を活かして成功させている企業も最近ではかなり増えてきました。メリットも多いため、年々市場も拡大しているのがオフショア開発の現状です。
ぜひ、慎重にリスク回避を行ったうえで、オフショア開発に踏み出しましょう!

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