オフショア開発の課題は全部で7つ!成功へのポイントも合わせて解説!

近年注目されているオフショア開発ですが、コスト削減、リソースの確保などのメリットがある反面、深刻な課題も発生しています。この記事では、オフショア開発のメリット・デメリットオフショア開発の7つの課題、成功へのポイントを紹介しています。

オフショア開発とは

オフショア開発とは、システムやソフトウェアなどの開発業務を海外の開発会社や子会社に委託することです。

情報処理推進機構(IPA)の調査によると、現在日本のIT企業の約半数がオフショア開発を利用しているとされており、近年注目されている開発手法です。

オフショア開発が注目されているワケ

オフショア開発が注目されているのには、主に三つの理由があります。
一つ目は、国内でIT人材不足が深刻化しているという日本の現状、二つ目は、インターネットの発展により、大規模な投資をしなくてもグローバル展開が可能になったこと、三つ目は、社内のダイバーシティ化が日本でも重要視されるようになってきたことです。

人気の国

オフショア開発で人気の委託先は、中国やインド、近年IT人材の育成が官民一体で行われ始めた東南アジアなどです。現在では、中国、ベトナム、インド、フィリピンの順に日経企業のオフショア開発拠点があるといわれています。

それぞれの委託先に関してさらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください!

オフショア開発のメリット・デメリット

オフショア開発のメリットは、コスト削減、IT人材確保、短納期などです。
反対にデメリットは、国同士の時差、文化の違い、進捗管理の手間などがあります。

より具体的なオフショア開発のメリット・デメリットに関しては以下の記事を参考にしてください!

オフショア開発の7つの課題

➀コミュニケーションにおける課題

「要件を説明してもブリッジエンジニアが理解できない」「会議の時間が日本人と行うのに比べて約1.5倍かかる」
このように、言語が違うことによるコミュニケーションの難しさはオフショア開発の大きな課題です。近年では、Skypeなどの遠隔会議システムを使用するケースが増えましたが、ただでさえ聞き取りにくいジャパニーズイングリッシュは、テレビ電話だとさらに伝わりにくくなってしまいます。このように日本人のオフショア開発では、どうしてもコミュニケーションの課題が浮き彫りになってしまいます。

➁文化や国民性の違い

文化や国民性の違いによる課題は様々です。
オフショア開発では、国ごとに異なる働き方や商習慣をきちんと把握しておく必要があります。例えば、オフショア開発先として人気の中国やベトナムでは、日本だけでなくアメリカなどの外資企業もオフショア開発拠点を展開しています。そのため、人材の競争率が高いです。いちから自社のノウハウを現地の人材に積み重ねても、その人材が他の会社にでしまうということがオフショア開発ではよくあります。このような人材の流出を防ぐには、ワンランク上のポジションに就任させたり、給料を上げることが必要になります。

➂物理的な距離

オフショア開発では、現地との物理的な距離による時差が課題になります。時差があると、会議の時間や委託先の人材と直接会う機会も限られてしまい、十分なコミュニケーションが取りにくくなってしまいます。「たった2時間の時差だから大丈夫だろう」と思っていても、出勤時間やランチタイム、退勤時間が2時間異なるだけで、互いにコミュニケーションが取れる時間はかなり限られてしまいます。時差による壁は意外と大きいのです。

➃品質問題

「納品されたが、正常に動かない。」「ユーザー視点でのテストが出来ない。」
このような品質問題もオフショア開発ではよくあります。例に、委託先として人気のベトナムでは、エンジニアの平均年齢は30才前後です。日本のエンジニアよりも若くて高学歴の人材が多いというのは人気の理由ですが、一方で経験不足や低スキル、低品質などの課題があります。採用フォームにプログラミングの実技テストをいれる、頻繁に進捗状況を確認するなどの対策が必要です。

➄納期に関する課題

オフショア開発は大量の人材を格安で登用できるので、短納期になるというメリットもありますが、このようなスムーズな開発を実現させるのはかなりレベルが高いです。というのも、オフショア開発では細かな進捗確認が必須なので、実際の開発工数は日本で行うよりも約1.2-1.5倍程度多くなると言われています。その他にも、「現地のエンジニアが開発スケジュールを守らない」など、現地技術者の納期に対する認識の甘さも指摘されているので、最初は余裕のもったスケジュールを立てておくことをおすすめします。

⑥仕様の認識相違

「開発案件の仕様統一が難しい」というのもオフショア開発でよく指摘される課題です。
例えば、新しいアプリを作るとしても、そもそもそれを作る意味が分かっていなければ、イメージとは違った製品ができあがってしまいます。事前に「どのような意図があってこの製品を開発するに至ったのか」「そのためにどのような機能を充実させるのか」などを共有しておくことで、仕様の認識もスムーズになります。

⑦人材の管理不足

人材管理はオフショア開発の難しい課題です。管理不足になってしまうと、チームの生産性が悪いことからコスト高になってしまったり、セキュリティ面でもリスクが高くなってしまいます。オフショア開発を長期的に続けていくと考えるのであれば、まずは現地スタッフの教育から始め、日本と海外での異なる文化や仕事に対する考え方のすり合わせ、セキュリティ面での教育を行うなどの時間をかける必要があります。

成功へのポイント

コミュニケーションを積極的にとる

オフショア開発を成功させるためには、なんといってもコミュニケーションを積極的にとることが大切です。コミュニケーションを取ることで互いに信頼関係が構築され、良いビジネスパートナーへと成長します。
毎日ビデオ会議を行うだけでなく、少なくとも月に一度くらいは現地の開発現場へ足を運び時間を共にすることも大切です。また、相手の理解度を確認するために、説明したことを相手にも説明してもらうなどのプロセスを踏むことも、こちらの意図がきちんと伝わっているのか確認できるのでおすすめです。

開発進捗を明確化する

細かな開発進捗が必要というのは言うまでもないのですが、それ以上に開発進捗を明確化することが必要です。
例えば、オフショア開発で成功している会社さんの工夫として、「少しでも不安な個所は実際のソースコードを送ってもらって確認する」「1日ごとのタスクをいくつかに振り分けて毎回フィードバックをする」などの工夫が挙げられます。

まとめ

オフショア開発の課題や成功するポイントについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

  • オフショア開発とは、システムやソフトウェアなどの開発業務を海外の開発会社や子会社に委託すること
  • 情報処理推進機構(IPA)の調査によると、現在日本のIT企業の約半数がオフショア開発を利用している
  • オフショア開発のメリットは、コスト削減、IT人材確保、短納期
  • デメリットは、国同士の時差、文化の違い、進捗管理の手間
  • オフショア開発の7つの課題
    ➀コミュニケーションにおける課題➁文化や国民性の違い➂物理的な距離➃品質問題➄納期に関する課題⑥仕様の認識相違⑦人材の管理不足
  • 成功させるには、コミュニケーションを積極的にとることと、開発進捗を明確化させることが必要。

オフショア開発では課題も沢山ありますが、少しの工夫や心遣いで互いに良いビジネスパートナーとしての信頼関係が構築されていくのです。

関連記事はこちら

Top